スポーツ障害で苦しまないように(メディカルの知識が必要です)
指導者が持ちたい医学の知識
スポーツ選手の子供は、がむしゃらに練習に励みます。親も自分が主役になったかのように子供以上に頑張ってしまいます。そしてスポーツ指導者はチームの勝利を目指して選手に厳しい課題を与えたりします。そんなスポーツ環境の中で一番の弊害は大切な子供の体を痛めてしまいスポーツ障害を引き起こしてしまうことです。特に親、指導者に医学的知識が必要で「スポーツ障害を予防する」意識を持ちながら選手の体を守ることが大切なのです。
スポーツ障害の現状

自分はサッカーと野球に関わり指導者として親として長い間かかわってきました。その中で一番悲しいことは、スポーツに真剣に取り組んでいる若い成長期の選手が突然スポーツができなくなり、肉体的にも精神的にも追い詰められ苦しんでいく現状を目の当たりにしてきました。私は、診療中にスポーツ障害の患者さんに関わり、そしてスポーツ現場で数多くのスポーツ障害で選手生命にかかわる子供たちを見てきました。大切なことは、子供をスポーツ障害から守り心と体をサポートしていかなければいけないと思いました。必ずしも激しく強い負荷が体にかかっているわけではないが、繰り返しの酷使(オーバーユース)によって子供たちの世代にみられるスポーツ障害、野球肘(ボールの投げすぎで生じる障害)やサッカーの膝に起こる離断性骨軟骨炎、腰に起こる腰椎分離症(腰椎の椎間関節の亀裂)ぼなどがあります。
その他、オスグット病(膝のお皿の下の骨がはがれて突き出てくることで痛みが生じる)ジャンパー膝(キックやジャンプの繰り返しによる膝の障害)、腸骨稜骨端症(腸骨、骨盤の上部にある隆起部分の炎症)、シーバー病(かかとの骨の剥離と炎症)などがあります。
大人の骨と子供の骨の違い
成長期の骨の末端部分は、骨端線の軟骨細胞が増殖と肥大し骨が伸びていきます。その骨が伸び成長する過程で筋肉や腱の成長がついていけず引っ張られて痛みが出ることがあります。
このように骨が完成していない成長期に負荷をかけすぎること(野球であればボールの投げすぎ、サッカーであれば急激かストップスタート動作やキックの負荷などが膝に負荷)が原因となるのです。
日々のセルフチェックが大切です、少しでも違和感があれば専門医でメディカルチェックを受けましょう
日々のセルフチェックを自分自身で行う今日の違和感はどこにあるか把握することが大切で、指導者は常に選手の体の競技特有の障害を意識してトレーニングをしなければいけません。関節の曲げ伸ばしで痛みはないか、万全の動作ができるか、プレーヤ自身に自分の体を触らせて、膝、股関節、腰、肘、肩そして左右差がないか、違和感がないかを確認させることも必要です。
そして違和感があればすぐにスポーツドクターの整形外科を受診してください。病院に行くことをためらわずこれくらいのことで病院と思わないでください。スポーツ障害の特徴は痛みがある場合はかなり進行している場合がほとんどです。痛みや症状が出る前にMRI検査や超音波検査で発見することが重要です。
もしスポーツ障害になってしまったら慌てず落ち着くことが大切です
このようにスポーツ障害を意識していても全てが予防できるとは限りません、スポーツすることと、怪我をしてしまうことは起こりうることです。スポーツ障害で腰椎分離症や、離断性骨軟骨炎などの慢性的な症状がある場合は長期にわたってその競技から離れなければならない状況があります。その時、選手個人や親、監督などかなりの精神的ショックが起こります。特に大きな大会があったり、決勝戦が待ち受けていたりどうしてもこの試合に勝ちたいという事で怪我をしている選手を起用してスポーツ障害を悪化させる事例を多く見てきました。
どうしても伝えたいことは、目先の勝敗、レギュラー争い、無理をして試合に出場など考えないでください、そのような考えが」選手の体を壊してしまいます。監督、親は肝に銘じてください。
そして、病院で検査し診断され、スポーツ障害になったら、慌てず、焦らずゆっくり直し一から出直す気持ちでリハビリーに取り組み主治医と良きコミュニケーションを構築し、監督はその状況を理解し、選手の将来を考え目先の試合を考えず末永く選手を守ってあげてほしいものです。
一番つらいのは、大好きな競技に出られない選手です。心のケアーをしてあげてください。スポーツ心理学を学んだ専門家にカウンセリングすることも必要かもしれません。


